特別編・過去日記より:
メイドさんへいらっしゃい


ごめんなさい。
今日までの生き方のうち、俺は反省しなければならないことがあることを思い知らされました。
たった一つだけですが、俺の主義主張はあまりにも間違っていました。
悔い改めて、今日から新しい世界に生きていくことに致します。
「俺たち!ひょうきん族」ふうに言えば「ザンゲ」します。

何の話かって?

では、順を追って話していこうか。

今までの俺は次のように公言して憚らなかった。

「俺はメイド萌え、メイド属性はない!!」

ああそうさ。
冬コミにおける「メイド特集本」とか「メイドのコスプレ」を見たって、全然心が動かなかったさ。
俺は徹底した
「喪服未亡人」「巫女」「ランドセル背負った小学生」属性だったのだ。
メイドの持つ魅力、魔性は「頭では分かっていた」ものの「感じ取る事はない」というスタンスだった。

これが大前提。

で、今日の話だ。
「一緒に行きます? 例の店」
我が鬼畜盟友たる辻村詠二さんのお誘いを受け、純粋に「面白そうだな」と思った俺は、一も二もなくそのお誘いに乗ることにした。
これが数日前のフラグメントだ。
連日の夏バテを、とにかく休息を取ることで何とか追い払い、体調は約93%まで復調。
そして今日、いよいよ出撃の時は来た。
気分はすっかり
ガンパレードマーチ。

「どこかの誰かのメイドのためにィィィィ!」(某ドイツ軍人風アレンジ)

この時点での俺のメイド萌え率0・1%、ただ単純に「こいつは話のネタになるな」とそれだけだ。
新宿にて、無事に詠二さんと影磁さんに合流。
車に乗りこみ、駐車場を出ようとすると前のおっさんの車が非常に手際悪く、全く動かない。

「チッ、なにやってやがんだまったく!」

「歩道が広いではないか、行け」

お約束を交えつつ車に揺られる事約1時間、無事(でもないが)秋葉原に到着。
……フッフッフ、待っておれメイドどもめ(喜)。
この時点でのメイド属性率0・35%、敏感にその筋のニオイを嗅ぎ取り、俺の本能が反応したようです。

さて、途中色々と店に寄ってじっくりと秋葉原を堪能した俺たち。
いよいよ目的のお店にGO!!
エレベーターに乗り込む…前に、「夜勤病棟」のガチャポンを見つけたのですかさずガチャリ。
1回500円なり。
良く考えたら高いよな。
さて、いよいよビルの奥にあるエレベーターに乗り込み、6階へ。

「………………」

このエレベーター、凄すぎます。
どう考えても
素人さん(オタク以外の方々)を排除する方向で運営されています。
まあ、ビルに入っているお店が「ゲーマーズ」ですから、確かに方向性は間違っていないでしょう。
当然の事ながら、俺の友人の7割は敬遠するものと思われます。
しかし俺は……。

「なじむ!! なじむぞッ!! 最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ」

 

さて、そんなこんなで6階に到着。
エレベーターを降りるとそこは…あれ?
なんだ?
普通のお店ではないですか。
メイドさんなんか何処にも…と思った時だった。

「いらっしゃいませぇ。お客様3名様ですかぁ?」

ドッギャアアアーーーーーンッ!!!

オイラの「メイド指数」一気に35%までアップ。
ぬ、ぬぬぬぬう、なんてこった。
この俺ともあろうものがメイドさんに「萌え」始めているだとォォォォ!?
しかし、良く見るとメイドさんの髪の毛、完全な「黒のストレート」ではありません。
よ、よしッ!
多少心苦しくはあるが、取り敢えずはこの点を注目していれば、俺の「理想的メイドさん像」と違う点なので魂までは売り渡さずに済むはずッ!!
済まぬ「従業員」さん(なにが何でもメイドと認めたくない様子)、あなたには悪いが俺の魂の為に敢えて「欠点」を責めさせて頂くッ!
取り敢えずは着席した俺達、早速アンケート用紙を見つけて書き込んだ。

「出来ればストレートの黒髪を希望」

おっと、肝心な希望を書くのを忘れてはいけないな。
やっぱりメイドと言えばこれだろう。

「ネコミミ希望」

俺は全力で主張しよう。
こう書いたことがあるヤツは俺だけじゃないはずだ。
断じて俺はやましい事はしていない。
いや、間違っていない。
俺は大衆の意見に迎合するのは嫌いだが、この意見には絶対的に賛成だ!!

という訳で。
お腹の空いた俺たちは、結構本格的な飯を注文する事に。
カツカレー×3、ホットミルクティー×3。
しっかり大衆の意見に迎合してる俺(ダメじゃん)。

さて、メイドさんは二人いたのですが、我々を案内してくれたメイドさんではないほうの方はメガネ着用。
しっかりとツボを押さえてます。
しかも両肩におさげ。
やってくれます。

メイド占拠率50%に上昇。

さて、甲斐甲斐しくサラダを運んでくれたり、灰皿を持ってきてくれたり、メイドさんは忙しそう。
俺たちのテーブルには大量に物があるため、メイドさんも大変そうです。
で、これはまあいつもの事(店員さん男女に関わらず)ですが、ちょっとテーブルの上を広げてあげました。

「あぁ、すみませぇん」

メイドコーナー拡充!! より強力に!! その比率60%!!

だってしょうがないじゃないですか、めちゃめちゃ初々しくて可愛いんですよ?
あの状況で「鬼畜」モードを抑え切った自分を誉めてあげたい気分です。

さて、いよいよ食前の紅茶をメイドさんが淹れてくれる運びとなりました。
ポットから茶葉取り用の金網を通してカップに紅茶を注ぐメイドさん。
ちょっとぎこちない手つきです。
影磁さんに注ぎ終わり、続いて詠二さんに注ぎ終わったメイドさんは、オイラのカップに金網を乗せてくれます。
でも、金網はくるくると不安定に回るため、ちょっと拙い状態に。
オイラはそこで、余計なお世話かと思いつつも金網を真っ直ぐにしてあげました。

「ああン、本当にすみませぇん」

ズギュウウウウウウウウン!!
う、う、うううう初々しくて可愛いじゃねえか、この野郎ッ!!!!!!!!
メイド占有率85%まで上昇。
完全に
独占禁止法違反です。

そこで思い出しました。
そう、今回このお店に来た理由の一つは、ある重大な質問をメイドさんにするためだったのです。
早速俺はメイドさんにご質問。

「あの、ちょっと訊いて良いですか?」

「はぁい?」

出張サービス(心の中で慌てて取り消して)出前はやってないんですか?」

「えええっ!?」(驚きつつ笑顔で)

主張しよう。
俺は真面目に訊いたんだぞ。
やましい質問ではない。
絶対に、断じて間違った質問ではない。

「うちは出前はやってないですぅ〜」

「そうか〜、残念だなあ、やってれば毎日でも頼むのに」

そしてメイドさん、ちょっと恥ずかしげに笑いながら

「えへへ☆ この格好でですかぁ?」

撃沈。
轟沈しました。

メイド属性突入です。

この瞬間、オイラ今までの自分が間違っていた事に気がつきました。
ごめんなさいメイドさん。
そして有難うメイドさん。
オイラ今日から、胸を張って「メイド属性」を主張します。

そして忠誠の証に、お店で使われているティーポットを買ってしまいました
デジカメを持ってたら、120%画像をアップしたところです。

笑いたきゃ笑え!!

 

俺、幸・ザ・ボスは秋葉原のコーヒーショップ、「CURE MAID CAFE」を応援致します。

 

頑張れ!! メイドさん!!!!

 

PS1:詠二さん及び影磁さん、本日はお世話になりました、お蔭様で大変充実した一日を送れました。
「遊食倶楽部」とか「アロワナ型釣堀」とか、道すがらも非常に楽しかったです。
是非「メイド梁山泊」の実現に向けて、努力を積み重ねていきましょう。

PS2:でも、オイラ最後の魂までは売りませんでした。
ちょっと書きましたが、アンケートを提出した訳ですよ。
それに、オイラこう書きました。

「同系列の店でCURE MIKO(巫女)も設立希望」


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