台風とメイドさん


その日、朝から暴風雨が関東地方を襲っていた。
でもめげない、こんな事くらいで俺は止められないのだ。

GO!!AKIHABARA!!HAHAHAHAHA!!

 

という訳で、ついたはいいがズボンびしょぬれ
靴下まで水が染透り、下半身全体がまさに濡れ鼠になってしまいました。

「アアんご主人様ァ、私もうこんなにびしょびしょに濡れちゃいましたぁ」

などとアホな事を呟きつつ(本当に口に出していた)、あと1時間はある待ち合わせ時間までドトールにて暇つぶし。

待ち合わせ時間は朝の10時。
開店と同時に店に飛び込み、一番乗りの栄誉をゲットするのだ、と前日詠二氏との綿密な打ち合わせの通り、オイラは5分前に店の前に…行こうとして道の途中でばったり詠二氏に遭遇。

俺:「どしたの?」

詠二氏:「開店11時からだそうです」

 

がちょーん。

 

まあ、こうして道の真ん中で雨に打たれていても意味はないので、取り敢えずは相談。
今回の目的は「歌月十夜」。
先に買っておくのが無難な線だね、という事で、この時間から開いてる店を探すんだけど…。
どの店も開店は11時から

秋葉原、軍隊並の規律の良さです。

それにしても人が居ない。
秋葉原全体が閑古鳥状態です。
とても普段の秋葉原から想像はつきません。

俺:「人が居ないね」

詠二氏:「ホント、オタクと肩がぶつかって揉め事になるかと想像してましたよ」

俺:「じゃあ、喧嘩の相手のアドレス調べてウィルス送りつけるんだね、きっと」

……いや、だって電脳都市の喧嘩って、そんなイメージないですか?
その場で殴り合いになるよりも秋葉原らしいと思うんですが。

 

さて、ちょこちょこと歩きまわってみると、ありました、あいてる同人ショップ。
その名も「たちばな書店」です。

前日、月ファイをやってたときの情報によるとショップでも在庫に不安があるとの情報でしたが、その心配もなく無事にゲット。
さらに、エロ同人誌をゲット。
メーテル陵辱ものという非常にマニアックなものです。

更に更に、オイラはある知り合いのお方(いつもお世話になっております)が描かれた漫画の載っているアンソロを無事にゲット、詠二氏は「痕」の小説をゲット。
2人とも恐いくらいに順調です。

更に更に更に時間があるうちに、という事で、アニメイトへお出かけ。
驚くべき閑古鳥です。
まさに絶句状態。
俺は随分オタク暦長いですが、こんなに人がいないアニメイトというのははじめて見ました。

詠二氏:「いつもならオタクで溢れかえってるんですがね」

いや、まあ俺達も立派なオタクだけど。

 

さて、10時50分にはCMCの前に到着。
店の準備に忙しいメイドさんにここぞとばかりにやさしくする俺達。

具体的には重い鉄の扉を支えてあげたり。

ホント、萌える対象にだけはとことん甘くなる俺達なのでした。

 

さて、予想通り店に入ると誰もいません。
一番乗りと喜んだのも僅か一瞬の出来事。
良く見れば、ろくに店の準備できてません。

「申し訳ありませぇん、もう少々お待ち下さぁい」

通常だったら開店時間過ぎても用意が出来てない店の弛み具合に怒りを覚える所です。
ですが。

相手はメイドさんです、どうして怒る事が出来ようか、いや、できない(反語)。

という訳で、最早「指定席なんじゃないか?」といういつもの席へどかっと腰を下ろす俺達。

………………。

……………。

…………。

………。

……。

 

俺達:「済みません、追加注文お願いします」

 

このセリフ、一体何度目だろうか?

 

気が付いてみれば、既に当りは暗闇でした。
開店から閉店までダラダラと居座る事実に8時間。

いくらなんでもこれはやりすぎたと反省しています。

 

とはいえ、下らない事ばかり喋っていた訳ではないです。
ここでしか出来ない、大切な会議なんかをちゃんと開いてたり。

あ、でもメイドさんには関係ないや(汗)。

メイドさん、ごめんなさい、居心地良すぎたんです(涙)。

こうしてまたブラックリスト入りを果たした俺達なのでした。

 

帰り際に気がつきましたが、どの店も8時で閉店なんですね。
秋葉原の統一性の高さに驚かされた1日でした。


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