3コードってなんだ? その1


えーと、まずはじめにお断りです。
ここでは、あくまでも「ギターを弾く」という事のみに限定して話を進めていく予定ですから、正確な音楽理論には言及致しません。
ここで書かれている理屈はあくまでも「そう思ったほうが都合がいい」という実践向きの話であって、正確な理論だと思い込むと恥をかくと思います。
それから、ここで言及するのはあくまでも「ロック」方面のギターテクニックと理論です。
ジャズとかクラシックの理論ではないです。
はっきり言って、そこまで細かいことを説明するほど疲れる事はありませんからね。
そんな訳で、ロックギターに拘った説明をします。

まずはじめに。

曲には須らく「キー」というものが存在します。
この「キー」というのが曲者で、これが把握できないと、3コードも把握できません。
予め楽譜が出回っている曲であれば、これは楽譜にきちんと表記されているんですけど、問題は耳コピなんかの場合ですね。
幸いにして俺は殆どこういう部分で苦労した事はありませんが、だからこそ逆に説明が難しいです。
こればかりは感覚で把握するしかないんじゃないかと思いますが、敢えて無理矢理説明するなら、「その曲の流れで一番安定する音」だと言えるかと思います。
これはまあ、音階の仕組みから言って当たり前のことなんですがね。

音階というのは、所謂「ドレミファソラシド」の事でして、一定の基準に基いて並んでいます。
基本的には、メジャーとマイナーの二つの音階が存在する、と考えておけば宜しいです。
日本ではこれらを「〜長調」「〜短調」と呼びますね。

で、海外では音階=スケールと呼びますので、これからそう表記します。
で、このスケールを構成する音も「ドレミ〜」とか、どっかの魔女ッ娘みたいな言い方じゃなく、ちゃんと海外流に呼びましょう。
日本では「ド」の音が基準とされる事が多いですが、海外では「ラ」の音が基準になってます。
以下は、「1+1=2」みたいなものですので、有無を言わさず覚えておいて下さい。

A=ラ
B=シ
C=ド
D=レ
E=ミ
F=ファ
G=ソ

これはまあ、掛け算の九九みたいなものです。
どうあっても覚えておいた方が良いです。

さて、このスケールというのは一定の法則に則って音を並べた物ですから、どのスケールであれ、並び方が決まっています。
つまり、この法則さえ覚えてしまえば、どんなキーであろうと対応できるってことになります。
一番楽な、Cメジャースケールで話を進めていきましょう。

Cメジャースケールというのは、日本で言う「ドレミファソラシド」です。
まずはこれをみて下さい。

ちょっとピンぼけしてますが、これがCメジャースケールです。
はい、手元のギターを弾いてみましょう、ちゃんとおなじみの「ドレミファソラシド」になるはずです。

で、分かりづらくて申し訳ありませんが、ちょっと話を巻戻し。

Cメジャーと言った場合、キーはCになります。
これを音楽理論では「1度」と言います。
この場合であれば、5弦3フレットの音が1度となる訳です。
以下、Dは2度、Eは3度、Fは4度〜〜〜となって行く訳で、最終的には7度までで構成される訳です。

で、基本的な音並びなんですが。
今度はこちらをご覧下さいな。

上のスコアと同じ音並びを、敢えて同一弦上で再現しました。
TAB譜は違うけど、楽譜が同じなので、同じ音並びだってのは分かるでしょう。
疑り深い人は手元のギターを弾いてみて比べて下さい、同じ音並びだから。

これはまあ、ギターという楽器の構造上、同じ音をあちこちの弦とフレットで鳴らせるからこその現象なんですが。
それはいいとして、ここで注目して欲しいのはTAB譜上の数字です。

3⇒5⇒7⇒8⇒10⇒12⇒14⇒15

と並んでいますね。

3⇒5⇒7

までは、間に一つ数字が入る隙間が開いていますよね。
ところが、

3⇒5⇒7⇒8

と、4つ目の音が来た時、いきなりその隙間がなくなります。
更に、

10⇒12⇒14

まで、また間に隙間が開いています。
そして、

14⇒15

と、また隙間がなくなっていますね。

纏めると、「3つめの音の後ろと、7つ目の音の後ろが寸詰まりになっている」と言えるかと思います。
この並び方こそ、メジャースケールの法則なんです。
この「寸詰まり」になっている部分の並び方を、専門用語で「短〜度」と言います。
で、先述の通りキーを「1度」と呼ぶ訳ですから、この例の場合は、

1度⇒2度⇒3度⇒「短4度」⇒5度⇒6度⇒7度⇒「短8度(8度は1オクターブ上のキーの音)」

となる訳です。
この音の並び方を、メジャースケールと呼ぶ訳ですね。

で、ギタリストとして覚えておきたいのは、「3度目の音と4度目の音は隣り合わせのフレットである」ってことと、「7度目の音と8度目の音は隣り合わせのフレットである」ってことです。
これを理解していれば、後々楽になります。
と言うより、これだけ覚えておけばギタリスト的には問題ないんじゃないかと。

 

※          ※          ※          ※

 

さて、スケールというものにはメジャーとマイナーがあります。
ここで本来ならマイナースケールの話にいかなきゃならないんですが、今回はその前提として、後で楽になるであろう理屈を先に書いてしまいます。

まずはこちらを。
出来れば弾きながらどうぞ。

いきなりで申し訳ありませんが、これはAマイナースケールです。
向こうの表記だと、Amと表しますね。

で。

いきなり身も蓋もないことを言いますが、これはCメジャースケールと同じモノです。
違いはどこにもありません。
先にネタバレ的に書きますが、「あるメジャースケールと同じ音並びを使ったマイナースケールが必ず存在する」ってことです。
南斗聖拳と北斗神拳、石仮面の吸血鬼と波紋みたいな物で、これらは表裏一体です。
「うそだぁ〜」と思ったヒト、ならばこれを手元のギターでちょいと弾いてみて下さい。

どう?
なんか納得できないながらも、同じっぽく聞こえるでしょ?

それから、気がついた人は気がついたと思いますが。
いままで上げてきたTAB譜の数字、同じところしか使ってないでしょ?
これこそが証拠と言えるかと思いますが、改めて言いますと、AmスケールとCメジャースケールは同じ音で構成されているんです。

先程も述べた通り、スケールと言うのは「一定の法則」ですから、一つに当てはまる事柄は全体の法則だと言って差し支えがありません。
つまり、あらゆるメジャースケールの裏には、必ずマイナースケールが存在します。
これは、覚えておくと後で必ず楽になります。

じゃあ、実際問題、どのスケール同士が同じモノなのかって話になりますが。
これは次回、マイナースケールの話をした時に書く事にしましょう。

疲れた……今回はこれで勘弁して。


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