〜後書き(いいわけ)〜
読んで下さった皆様へ一言。
ごめんなさい。
それから、有難うございます。
いやはや、何なのでしょうね、このダークでへヴィな、おまけに救いの無い話は。
私本人は、どうしようもなく能天気な人間なのですがねえ・・・。
読んで下さった方々も、さぞ、お疲れになったことでしょう。
書いてる私も、はっきり言って疲れました。
この話、初出は1994年でして、その時の作品に微妙にアレンジ及び加筆、訂正を加えたものが、今回のこれであります。
本来、友人に読ませる為に書いた物なので、現在は原版が手元にありませんので、思い出しながら書いていった訳でありますが、大筋は変えておりません。
この作品を書いた当時は、「一つの事に全てを費やして、その代償として何もかもを失っていく男達」というコンセプトに凝っておりまして、それに従って創った三本の作品のうちの一本が、本作であります。
つまりは「三部作」という事ですね。
蛇足ながら付け加えますと、残りの二本は長編でして、刑事ものと、カブトムシやクワガタの卸業者の話でした。
主人公の名前は、書いた当時はちゃんと設定したのではありますが、今回書き直すにあたって、削除する事に致しました。
多分、この主人公は私自身の一面を、極端な形で体現している者だからでしょう。
あーやだやだ、書いててこれほど感情移入できちゃう主人公は他にいないんですが、よりによって、それがこんな話とは。
こーゆー人間にはなりたくないんだけどなあ。
化石とか、古生物とか、考古学とか、その辺に興味があるのは私自身の趣味の反映でありまして、主人公が少年時代に見た光景とは、私が幼少の頃に見た光景をそのまま使いました。
あれは壮観だった。
ついでに誤解の無いように書いておきますが、大学というところは政治的な配慮とは無縁なところだと、私の親父(一応教授だそうで)が言っておりました。
従って沢村教授のような人物は、小説、テレビ、漫画くらいにしか出てこないものと思ってください。
この作品を書いた頃から、私自身の作風は、完全にシリアス一本槍になってしまいました。
それまでは(特に高校時代)、火浦功氏の影響を受けて、バリバリのギャグ小説を書いていたのですが。
今やシリアス以外で書ける物といったら、官能小説だけ(書いたこと、あります)。
まあ、トシ食ったら、人間変っていくと言うことで。
ギャグか。
多分、もう書けないよなー。
ふっ、高校時代なんて、もう十年前の話だしな・・・。
それでは最後、参考文献を記して終わりに致しましょう。
私の駄作を読んで下さった皆様、誠に有難うございました。
講談社:「ブルーホール」/星野之宣
講談社現代新書:「古生代の怪物たち」
中央公論社:「日本の歴史」
学研:「恐竜のひみつ」
潮出版社:「宗像教授伝奇考」/星野之宣
新潮文庫:「羆嵐」/吉村昭
光文社文庫:「アフリカ古代文明の謎」/田名部昭
順不同・敬称略(著者複数の場合、割愛させていただきました)
他、雑誌で
「ナショナル・ジオグラフィック」
「ニュートン」