より詳しい感想
まあ、お気に入りのゲームにはそれなりに書きたいことがあるんで、ちょっと書いてみます。
ただし、あくまでネタバレ上等で書いておりますので、そういうのが嫌でしたら即座に戻っちゃって下さい。
↑以上、コピペですが注意書きです。
さて、このゲームでは「キャラ別攻略」というか、キャラに伴うストーリーによって謎が徐々に解けていくという形式を取っています。
で、せっかくですからヒロイン別に色々と語ってみようと思います。
こういうの、嫌いじゃないでしょ?
●「……あなたを殺します」 柏木千鶴シナリオについて
このゲームで最大の人気シナリオがこの人のシナリオです。
勿論、俺もこの人のシナリオ大好きです、涙腺枯れるんじゃないかってくらいボロボロ泣きまくりました。
大袈裟じゃなく、ズボンが落ちてくる涙でびしょ濡れになってしまったくらいです。
今更俺が多くを語る必要はありませんが、ここで描かれているのは、「抗えない運命でも人の絆は最後に必ず勝利する」ってことです。
でも俺的には千鶴さんに殺される⇒千鶴さんが死んでしまう⇒ハッピーエンドの順番で好き。
●「よう、暇人」 柏木梓シナリオについて
多くの人達が「アレはとってつけたシナリオ」と断ずるこのシナリオですが、それは見方が違うと思います。
確かにエッチシーンはあんなだし、梓の耕一に対する感情の出所は不明瞭だし、落とし穴は一杯あります。
でも、ここで描かれているのは、「主人公とヒロイン」の関係じゃないんですよ。
ここで一番重要なのは「柳川刑事と阿部貴之」の関係なんです。
このゲームでは、キーパーソンはヒロインではなく、敵役である柳川刑事なのです。
主人公・耕一が光だとすれば柳川は影。
この2人は、切っても切れない関係にあるのです。
故に、千鶴さんのシナリオで(現在の)耕一をしっかり描写し切った後は、どうしても柳川刑事を描く必要があったんです。
梓シナリオは、そのために存在するシナリオだと言えるのです。
●「ずっと伝えたかった!」 柏木楓シナリオについて
いよいよここから耕一の過去(と言うか前世)、次郎衛門とエルクゥの関係が語られ始めます。
現在の「楓」というキャラとしてよりも、「エディフェル」というキャラとしての語り方が秀逸で、このシナリオもボロ泣き決定でした。
実に臭い話なんですが、変にお涙頂戴になっていないのが凄いですね。
500年前の悲しい別れのシーンは、まさに傑作でした。
それだけに、最後のシーンはちょっとあっけなかった気もしますが。
●「愛してるぜベイベー」 柏木初音シナリオについて
締めは初音ちゃんです。
ここで今まで隠されていた謎が全て明かされることになりますが、宇宙人だったというオチはちょいと「?」ですね。
ヒロインと主人公、という関係も弱い気がします。
なんかあくまで「お兄ちゃんと妹」って感覚が強いですね。
初音というキャラの造形が「恋愛」的なものより「憧れ」といった部類を想起させるからでしょう。
シナリオとしては、昔の話を絡めて良く纏っているとは思いますが……。
ただ、耕一の心理的な葛藤描写は凄く優れていたと思います。
それにしても初音は一体いくつだ?
こうやって見ると、各ヒロイン毎にテーマが違っている事が分かります。
各々が持っているテーマに沿ってもう一度シナリオを読み返してみると、ひょっとすると新たな発見があるかもしれませんね。