より詳しい感想


まあ、お気に入りのゲームにはそれなりに書きたいことがあるんで、ちょっと書いてみます。
ただし、あくまでネタバレ上等で書いておりますので、そういうのが嫌でしたら即座に戻っちゃって下さい。

 

↑以上、コピペですが注意書きです。

 

非常に明快な、分かりやすい主題を持つゲームなんですが、俺にとってはそのへんは二の次で調教一筋のゲームでした。
それでも充分ゲームが成り立つ手堅いプログラミングはやはり素晴らしいです。
先述の通り俺は鬼畜シナリオしか知りませんから、シナリオを云々できるような知識はありません。
よって、ここではキャラ造形そのものについて語ってみます。

 

「ぶえーくしょん!!」   鳥海千紗都について

妹属性全開でありながらメイド属性まで持つ贅沢な千紗都ですが、病弱だったり甘えん坊だったりと描かれている割には、偉く強い娘です。
というのも、鬼畜エンドの時の話ではありますが、空が完全に壊れず何処かでいつも怯えているのに、千紗都は完全に奴隷になりきっちゃうからです。
人間、どんな状況でも完全にブッ壊れるまで狂うのはかなり不可能事です。
まあ、こう書くと反論があるであろうことは予想できますが、ここでは本筋からずれてしまうので置いておきます。
兎にも角にも、千紗都は現在の状況の中で自我を変化できる強さがあるってことです。
自分の双子の妹が自分達を捨てていっても、全く動じるどころか気にもしません。
恐いほどに冷徹な娘です。
ギャグシナリオであるDUO編においても千紗都は女王様になったりしてますが、これこそがこの娘の本質だと思います。
つまり、明確な「自分」という物がない、カメレオンのような人なんでしょうね。
人間的なものではなく、より動物的なものを感じさせます。
余談ですが、声を当てている長崎みなみさんの演技は圧巻です、流石日本一の汚れ声優さんです、天晴れ。

「あれ? 兄貴?」   鳥海空について

さて、一方双子の片割れの空たんですが、彼女は非常に明快なキャラクターです。
幼少の頃は非常に気弱だった娘ですが、全く今に至っても変わる所がありません。
本人があっさりと告白する事ではあるんですが、それにしてもそういう所が随所に見えています。
房事の最中であっても「顔が見えないと恐いと」という理由で背後からの行為を必要以上に忌避する姿などは、その典型と言ってもいいかと思います
要するに彼女は、非常に現状維持主義者と言えます。
今が良いなら、あとはもっと良くなるかどうかは関係ない、という訳ですね。
このあたりの象徴的な事件が「幼児退行事件」でしょう。
また千紗都と違って、自分が一人きりではいられない人間だというという本質的な部分を、自分で良く理解していると思われます。
鬼畜エンドで、千紗都を気にしていたことが何よりの証拠と言えましょう。

「おはようございます……」   端本久美子について

隣の未亡人という、目が醒めるような素晴らしい設定が魅力な久美子さんですが、あまり未亡人らしいところは持ち合わせてはいません。
何と言うか、ちょっと大人びた女性という印象しか与えないんですね。
落ちついた物腰ですから好意的に取って人妻だったとも取れなくもないんですが……。
それは置くとして、身体のほうはしっかり熟成していたようです。
エッチシーンの凄まじさはこのゲームNO・1だと言っても良いでしょう。
後から聞いた話なんですが、この人をじっくり語るには純愛・鬼畜双方をやりこむ必要があるとのこと。
という訳で、俺には未だ語る資格が無いってことになるらしいです。

「先生……?」   安岐山かのこについて

かなりロリ系の外見を持つかのこですが、設定から見ると、結構お年頃だそうです。
実の所、鬼畜ルートで進んだ場合、この娘のシナリオが一番つまらないです。
ただ、純愛ルートで進んだ場合、この娘は非常に良いんだそうです。
さて、主人公を「先生」と呼び慕ってくる彼女ですが、その行動理念は極めてストレート且つ本能的とも言えるものだと思います。
キャラを作った方によると、彼女は小動物ということになりますが、まさに言い得て妙ですね。
何と言うか、自分の脆弱性を無意識のうちに武器にしている一面があります。
良く「守ってあげたい」と言う表現を耳にしますが、彼女は完全にそちらの系統に入る娘です。
だからこそ鬼畜ルートがつまらない訳ですが、俺みたいに異常なほど歪んだ嗜虐心を持ってる人間からすると、やっぱり壊したくなるんですけどね。
なんにしても、無防備を最高の防具にしているタイプの少女であると言えます。

「先輩、遅いですよぉ〜」   江崎日奈美について

所謂「眼鏡ッ娘」に入る系統の娘ですが、全面的に脳天気さを押し出したキャラ造形になっています。
人の話を聞かない、強引、異常なほどポジティブ、こういう系統のキャラは基本的に俺は好きじゃなかったりしますので、ご多分に漏れず彼女も好きではないです(汗)。
この系統の娘の特徴として「ホントはえらく重く考えるタチなのに、普段は明るく振舞うフリをしている」というのがありますが、まあ、彼女もそういう系統です。
しかも、この娘の場合は自分のキャラクターを良く理解しているものと思われます。
ここぞというところでは甘えた行動を取ったりするのが証左といえます。
こういうタイプが周りにいた場合、友人としては良いんでしょうけど恋人としては失格だと思います。

「失ったものは、二度と取り戻せはしないわ」   柴崎彩音について

このゲームで一番残念だったのは、この人のエロシーンが無かった事ですが、まあそれは置いておきましょう。
良い人なのか悪女なのかイマイチ判然としない彼女ですが、彼女の本質はDUO編にあるんじゃないでしょうか。
基本的に彼女はあくまでも主人公の影の部分として存在するキャラです。
何かに飢えてるというイメージはなく、あるのは現状の中で満足して、誰も寄付けずに孤高に生きるというイメージだけです。
ですから、主人公が温かい幸せを選べば彼女はあっさりと自分を主人公から引き離していきます。
しかし、裏を返せばそれは「主人公がいなければ、彼女自身の存在価値が無い」という事になります。
彼女曰く、主人公と彼女は凄く似ている存在だという事ですが、それはお互いに似た者を求めたからこそ言える台詞なのではないでしょうか。
一見周囲に壁を作っているように見える彼女ですが、壁を作るという事自体が、自然なあり方とは言えません。
そんな訳で、壁を取っ払った彼女の姿はやはりDUO編のあの明るい姿にあると思う訳です。
やっぱりちゃんとこの人メインのシナリオが欲しかった……。

 

要するにこのゲーム、キャラクターの色分けがハッキリしている分だけシナリオの味が増していると言えます。
それはある意味当然の事ではあるんですが、昨今のゲームではこれが中々どうして、当然とは行かない有様ですから、よりこのゲームの良さが目立ちます。
しかし先述の通り、各キャラクターの主人公に対するスタンスがイマイチ弱く感じるわけです。
たとえば俺の部屋の隣にもかつて女性がいましたが、全然接触なんかありませんでしたから、それが隣の家なら何をか況や。
仮に前の亭主に似てたとしても、それが決定打になるとはとても思えません。
また、高校時代からの思いを一途に持っていたとしても、外界との接触が多ければ、その思いも変質を余儀なくされる事も多々あるでしょうに。
こういった点の弱さだけがちょっと気になったんですが、まあみんな概ね良く出来たキャラだと思います。
調教ゲーの場合何が重要かって、調教前と後の人物の変化です。
このゲームでは、流石にその点留意がなされていました。
キャラゲーという観点から見ても、良く出来たゲームだと思います。


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