コラム!!
何について語るかは気分次第。さて、今日のお題目は?


2002年  7月 30日   スピードワゴン名言集

いきなりだが、今回はこんなものを特集する。
たまにはいいだろ、っつーか、やりたくなったんだがら仕方ねえよな。
因みに今回は第1部の1巻と2巻のみな。
とはいえ、奴のセリフは全てが名言だからなあ……。

 

1巻 ラストの方でちょっとでてるだけだが、既にインパクト充分

あの身なりのいいあんちゃん皮膚(ハダ)を切り刻んで身ぐるみはいじまいなッ!

いきなり悪人的な登場。
この時点では、誰もが雑魚の一人に違いないと思った。

2巻 この巻の主役はジョジョでもディオでもなくスピードワゴン

ゲブッ! な…なんてやつだ! ハ…ハッタリじゃあねえッ! こいつには指どころか両足だって失っていい覚悟があるッ! そして恐怖や痛みに耐える精神力がある!

「試す」と言っただけあって、ちゃんと結論が出ているところが流石。
本物の雑魚には決してできないワザだ。

やめりゃあよかった! こんなタフガイにケンカふっかけるのはよォ!

この人間臭さがたまりません。

こいつは精神的にも貴族だ…気に入ったぜッ!

人間を表面では判断しない、流石はスピードワゴン。

ジョースターさん……気をつけろ! 信じるなよそいつの言葉を!

影からマッチをつけながらの登場。
細かい演出が憎いぜ。

「誰だ?」って聞きたそうな表情(かお)してんで自己紹介させてもらうがよ おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン!

このセリフで痺れない奴とは友達になりたくないね。
ここからの2ページはまさに独壇場だ!

ジョースターさん! 甘ちゃんのあんたが好きだから一つ教えてやるぜ!

主人公に向かって「甘ちゃん」と言い切る解説役。
でも憎めない、というかサイコー。

こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ―――ッ!! こんな悪(ワル)には出会ったことがねえほどなァ――――ッ 環境で悪人になっただと? ちがうねッ!!

ジョジョ史上、最高の名言との呼び声も高い。
そして最高の解説という意見もある。

うう……あのナイフの位置は急所だ……!!

どんな時でも的確な解説をする彼。
この人が喋ると、安心して状況が理解できるから不思議だ。

ちがうッ! あの父親の精神は……………………息子のジョナサン・ジョースターが立派に受け継いでいる! それは彼の強い意思となり 誇りとなり 未来となるだろうぜッ!! (ふつう おれは自分が困るとすぐ泣きぬかす甘ちゃんはだいっきらいだがよォ! この親子はちがう 自分たちのしたことを後悔しない最高の大甘ちゃんだぜ!)

これまた素晴らしいタイミングでの素晴らしい状況解説。
モノローグの台詞回しがまた最高。

し 死なねえ! 頭を撃たれたのに……………… おれにはわからねえ………今……なにが起こっているのかさっぱりわからねえ

たとえ分からなくても解説だ!
状況を垂れ流すだけではなく、ディオの恐怖をも増幅して伝える効果があるセリフだ。

おれはッ!! おれは! 今までの人生で世界各国を放浪しいろんな物を見てきたッ! アフリカの珍しい動物だのアジアの奇怪な植物だのカリブ海の大木まで吹っ飛ばす竜巻だの!

まずは自分の体験談を語ることによって、次の解説にさらなる凄味を持たす高等テクニックだ。
そこらへんの三流ヘボ解説には出来ない荒業。

ゲホッ! くそっ! やられたのは腕だけじゃあねえ! 折れたアバラが肺につき刺さっているッ! ジョースターさんを助けるどころかあしでまといになっちまった!

どうだ、自分を「足手まとい」と認めることができる彼の精神力は!!
まさにスピードワゴンの真骨頂だ!!

ひ…ひでえッ! 化け物は化け物を生み出すのかあッ!

このセリフによって、吸血ゾンビがディオの配下であることが判明する訳だ。
うーん、やっぱりナイス解説。

ああ…た…たしかに焼けているッ! だ…だがッ! 焼けながらも皮膚の組織が素早く次次と再生しているんだ! 脳に弾丸を撃ちこんでも傷がなおる理由はこれかッ!

なんとその解説力のみで石仮面の秘密を解いてしまったスピードワゴン。
尋常じゃないぜ。

ジョースターさんはこのおれを助けるために上に行ったッ! それもあるッ!

「それもあるッ!」の部分が実に説得力がある。
こういう言いまわしができる解説役は、マンガ界を見回しても彼だけだ。

ジョースターさんはこう考えているッ! もっと強い火力ならとッ! あの魔物の肉体の回復力が追いつけないほどのもっともっと強い火力ならディオを倒せるとッ!

いやー、実に的確な解説だ。
これでもかと言わんばかりの解説。

今! あの人はまったくの孤独! 心のささえがねえ! こんなオレじゃ役不足だがよォ! ほんのチョッピリでも与えてやりてえ! 生きる希望をよォ! 意識不明でも手をにぎってやるだけでも それは 伝わるもんだぜ!

解説役は主役を支えられるのか!?
永遠の命題に挑むスピードワゴン。

やはりおれじゃあ役不足だったようだぜ! ここは明日またあらためて出なおすとすっか! スピードワゴンはクールに去るぜ

汎用性の高いセリフと、敢えて三枚目がカッコつける滑稽さを演出するスピードワゴン。
人生の師匠だな、ここまでくると。

 

そのうち、3〜5巻までやるので、そのつもりで。
無論、第2部もやるぞ。


2002年  10月 29日   スピードワゴン名言集・その2

前回の続き〜〜。
漫画史上最高の解説役であるスピードワゴンの名言集in3巻だ。

 

3巻 この巻こそスピードワゴンの真骨頂だ

・ジョースターさん裏の世界へ手ぇー回して 確かにあの中国人をその町で 見かけたって情報を確認しました!

早くも「戦闘」ではなく、自分に出来る仕事を全力でこなすスピードワゴン。
これだからたまらないのです、このヒトは。

・ジョ…ジョースターさん…こ…こいつは! こいつは! こいつはやばいッ! 残虐性! 異常性においてディオ以上だあ――――ッ!!

もはや何も言うまい。
簡潔にして的確な解説。
純粋な「解説」としてはこのセリフを超えるセリフは漫画界には存在しない。

・あの野郎だけはゆるせん! おれは物を盗むがあいつは命をぬすむッ!!

ディオの本質を鋭く言い表すスピードワゴン。
でも、物だって盗んじゃいけない。

・おれはこの瞬間に対する心の準備はしてきたッ! だがやはりドス黒い気分になるぜ! 汗がふき出すッ! あの野郎があんないい気になってピンピン生きてるってことによッ!

見かけによらず熱い正義の心を持つ男・スピードワゴン。
実の所ディオの「悪」の側面を誰よりも正確に理解し、憎んでいるのは彼なのである。

・ジョースターさんの体内の「波紋」とかいう奴がよォ…ディオの凶暴な力を分散させたか!

波紋を使えなくとも本質を見抜いて解説するスピードワゴン。
度胸と覚悟がなければ出来ない技だ。

・ツェペリのおっさんよォ! 溶かせばいいんだな! その凍った腕をよォ!

・ツェペリのおっさんよォーッ! おれも世界中を旅した! 極寒地に住むエスキモーはよォ! 凍傷にかかった時! アザラシの肉の体内に入って治していたぜ!

・これでどうだ!! おれはよ! あんたやジョースターさんの足手まといになるためについてきたんじゃあね―――ぜ!

震えた。
本気でカッコイイと心の底から思った。
名言でも解説でもなく、超・名シーンだ。

・お…おれの氷の火傷の痛みも忘れてしまうほどの戦慄ッ! と…とんでもねえ屍生人どもだ……ジョースターさんの一九五cmの体が小さく見えるほどの大剣! 得体の知れぬ黒髪!!

・そ…それにあのふたりの面がまえ! トンネル内で戦ったメス使いのようなただの屍生人じゃねえ! 何かを秘めている! 多くの人間を見てきたおれにはその圧倒的な何かを感じるッ!!

並外れて人間を見ぬく眼力に長けた彼らしいセリフ。
ここでも二人の騎士の持つ迫力を的確に読み取っている。

・あ………圧倒的な怨念だ! 怨念だけが増大してる!! ディオは英雄を魔物にかえた!! この屍生人が秘めているのは恨みだけか…勝てるのか! この凄まじい妄執にッ!

ズバリと核心を解説してのけるスピードワゴン。
ディオの所業まで含めてじつに見事に表現しきっている。

・わ…忘れていた! ジョースターさんにも背負っているものがある 亡き父への思いと未来への希望が!! おれたちの希望がァ!!

ジョジョの気迫についても解説を及ぼすスピードワゴン。
あくまでも人間の根本に拘った解説に脱帽だ。

 

3巻は終わり。
次は4巻以降ね。


2002年  11月 25日   スピードワゴン名言集・その3

シリーズ第三回。
第1部最大の盛り上がりを見せる第4巻のスピードワゴンだ。

 

4巻 スピードワゴン節大爆発!

・全身からみなぎる自分の能力と戦闘への誇り高き自信!

ツェペリさんの解説とセットでどうぞ。
対ブラフォード戦では、ツェペリさんも解説役に徹していたりするのだ。

・う…うまいッ! 剣からの防御がイコール波紋攻撃につながっているぞ!

的確にして簡潔な解説!
武道の真髄は防御と攻撃の一体化だという。
だとするなら、解説の最高峰はその実況を的確にこなす事にある!

・おお! やったッこの音! ブ厚い鉄板に流れ弾丸のあたったような音…いつも聞く「波紋」の流れる音だ!

対ブラフォード戦決着を決定付ける解説。
この一言で、この後の展開がよりドラマ性を帯びてくるのだ。

・見苦しいぜブラフォード! そんなに醜くなってまでもよォ屍生人としての殺意が消えず 襲ってくるなんてよ!

スピードワゴンにしては珍しく読みを外した解説だが、この場合はこれで良いのだ。
ここはジョナサン「だけ」が本質を分かっていないといけないシーン。
よって、スピードワゴンはここでは間違えておく必要があったのだ…と思っておくテスト。

・あの顔は! さっきまでの怒りと憎しみにゆがんだ顔ではないッ! 母親と会話する息子のようにやすらいでいる顔だ!

ブラフォードの心境を比喩を交えて表現する。
彼の解説力は、その分かりやすさも突出している。

・ディオの奴が奇怪な石仮面をかぶってからおれっちのまわりは信じらんねー超常現象がいっぱい起こりすぎてよォ! 人間としての常識が麻痺しちまって疑問にも思わなかったがいちばんの謎は あんただぜツェペリのおっさん!

ここ一番、重要な場面で重要な疑問を提示するスピードワゴン。
解説役の本分を忘れず、情報を最大限に操作していく姿勢が素敵。

・ツェペリさんあのレバーだ! この扉の中からしか開けられんようになっているらしい…

真理は常に解説役から齎される。
スピードワゴンらしい、的確な状況把握だ。

クソッ!! う…う…おれはいつも傍観者よ…なにもできねえなにもしてやれねえ

これこそスピードワゴン!!
他の漫画の解説役にこのセリフが言えるか!?
己の無力さに対する誇り高き自信!!
しかし、奥ゆかしいにもほどがある。
激しくその通りにして、激しく間違っているセリフだ。

・つ…強い! ほとばしるほど強い! 今までのジョースターさんと違う! それに動きも圧倒的に速いぞ! ツェペリのおっさんの生命波紋が宿ったんだ! ふたりの力の相乗作用!! 首の骨折を治ゆするほどの強さだ!

厳密に言うと良く分からないが、勢いだけで読むとこれ以上無い解説。
俺は本誌で読んだこのセリフでジョジョにハマりました。

・ツェペリさんが死んでジョースターさんの顔つきが変わったようだ……表情に影が濃くなった……………おれだって同じよ………悲しみと怒りを必死にこらえている………だが あのディオを倒すまでは悲しんじゃあいられねえ!

ここから先のスピードワゴンの頭に注目!
ツェペリさんの遺志を引き継ぐのはジョジョだけではないのだ。
暗に第2部以降の彼の役割を予感させるものがあるシーンだ。

・ううッ! ま…ま…またもやだ! それもこの新手の屍生人ただならぬ鋭い眼光!

久し振りにローテンションの解説。
安心してみていられる。

・あ……あの屍生人! 体内に蛇を飼っているんだ! それも猛毒のコブラとか肉を食いちぎる奇妙な蛇を!

倒置法による解説。
相方はツェペリさんではなくポコなので、やや落ち着き気味のテンション。

・ツェペリさんが生命エネルギーをジョースターさんに与えて死んでいったからだ…………

珍しいスピードワゴンの呟き。
ツェペリさんの死は、ジョジョだけではなく彼の心にも残ったのだ。
それでも解説を忘れない所がスピードワゴン。

 

4巻おしまい。
次で第1部は終わりだ。


 

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帰るわ、俺