始めての皆様へ


1:「俺屍」(オレシカ)って、なに?

「俺の屍を越えてゆけ」は、「世代交替型家系育成RPG」である。
「?」と思った方、あなたは正しい。
そんなジャンルのゲーム、この世に存在していないからだ。つまり、裏を返せばそれだけ斬新だってこと。
具体的にどんなものかは、これからじっくり説明していく。
まずは主人公だが、このゲームでは決まった主人公はいない。
何故なら、登場人物は長くても2年間しか生きられないから。
じゃあ、何を育成するのかと言うと、「血筋」とか「家系」というもの。
つまり、あなた(プレイヤー)は一族の「歴代の」当主となって、子供達を残し、家系をより強く育てていくことが目的となるわけ。
だから「世代交替」だし「育成」だし。
基本はあくまでRPGなので、難しく考えることはない。
要するに、競馬ゲームとかの交配システムと、RPGを混ぜてバランスを取ったと思えば良いかな。

2:プロローグとしてのストーリーは?

今を遡ること約千年の昔、平安時代も真っ盛りの1018年、京の都は、大江山に住む一匹の凶悪な「鬼」によって荒廃の極みとなっていた。
その「鬼」(*注1)の名は「朱点童子」という。因みに「酒呑童子」と打ち間違えている訳ではないので、そのつもりで。
朱点は配下に多くの鬼達を集め、人々に恐怖と災いを撒き散らしていた。
そんな状況下で人々も黙っている筈はなく、次々と討伐隊が大江山へと向かった。そして・・・。生きて帰った者は一人もいなかった。
そんな折、一組の夫婦がついに朱点童子の元に辿りつく事に成功した。
いよいよ血戦と思われた矢先、夫である源太(げんた)は朱点の卑劣な罠にかかって無念にも憤死、妻のお輪(おりん)は、更に卑劣にも生まれたばかりの我が子を人質に取られて、朱点の慰み者となってしまう(*注2)
このとき、お輪は自らの身と引き換えに我が子を無傷で解放すべく要求、朱点はそれを聞き入れて子供を解放した。
だが、朱点は鬼である。
ただで約束を守る筈はなかった。
朱点は子供に二つの呪いをかけた。
人呼んで「種絶の呪い」と「短命の呪い」という。
これによりその子は子孫を残せず、またあっという間に成長して、あっという間に死ぬ事が決まった。
全ては、高笑いと共に消えたにっくき鬼、朱点の思うが侭だった。
そうなる筈だった。
だが、この世に「鬼」がいれば、また「神」もいるのだ。
その子は「神」と交わる(交配する)ことにより、子孫を残す事が出来るようになったのである。
残るは短命の呪いただ一つ。
人々の平和の為、自らの一族の為、そして己自身の為、今日も明日も明後日も、あなた(プレイヤー)は闘って闘って闘い抜いて、ガンダムファイトの如く闘い抜かねばならぬのである。
憎むべき鬼、朱点童子を討ち果たす、その日まで・・・。

注1・・・「鬼」だからといって、すぐにエルクゥを思い出したりしないように。ここは全年齢対応なんだから。
注2・・・このシーンにおけるやり取りは、まるで「ナチュラル2」を見ているような爽快さ(?)である。エロゲーを連想したのは俺だけではあるまい・・・って、全年齢コーナーだってば!!ここは!!

3:ゲームの流れはどうなってるの?

まずは説明の前に、このゲーム内で手元から激しく出入りするもの達を挙げておく。
「金」、「戦勝点」「奉納点」、「アイテム」。
「戦勝点」「奉納点」というのはなかなか聞かない名前だと思うが、これは早い話が経験点である。
敵を倒して手に入れることになる訳だ。
で、そのうち「奉納点」というのは自分と交配してくれる神様に捧げる、言わば贈り物。
これを沢山捧げることで、より強い神様と交配できる。
つまり、良い子供を残せる。
「戦勝点」はそのまま経験値として累積されるが、「奉納点」は使うと減っていく。
「金」は冒険先で手に入れるしかない(厳密に言うと違うのだが)。
「アイテム」なんて敵が殆ど持っている(これも厳密には違うが)。
以上から導き出される、ゲームの流れの結論。
戦う戦う戦う戦うお金を稼ぐ。
戦う戦う戦う戦うアイテムを奪う。
戦う戦う戦う戦う子供を作る。(←ゲーム中、本当にこう説明される)
とまあ、こんな具合で、ガンダムファイター真っ青に戦いまくるだけ。

4:じゃあ、ゲームの最高の「売り」は?

これはもう、「システム」に尽きるといって過言ではない。
特に凄いのが戦闘。
これだけルーチンワーク的に単調な事を繰り返さなければならないのに、飽きないのである。
これは、ひとえに「アイテムスロットシステム」によるところが大きい。
つまり、敵から得られるアイテムは、スロットによって決まるのである。
これがまた、欲しいアイテムにはなかなか止まらないと来ている。
つまり、躍起になって集めたくなるのも無理はないという事になる訳だ。
また、大胆に人物の感情を省いているのも、瞠目させられる点だ。
ゲーム中にイベントがないのも凄い。
要するに、大枠のドラマは用意したものの、それ意外の細かなイベントは、プレイヤー自身が作り出していくドラマツルギーに委ねられるのである。
要約すると、「どんな遊び方をしてもいい」という事になるのだ。
その自由度の高さこそが、このゲームの最大の「売り」だと思っている。
それを可能にしたシステムの斬新さに、ただただ脱帽するばかり。

という訳で、プレステを持ってる皆は、さっさと財布の中身を確認してゲームショップへ行って買ってきなさい。
あとの詳しい事は、ゲームをやっていくうちにどんどん分ってくるから。
そしてそうなった時、あなたはどっぷりと「俺屍」にハマっているからね。


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