クリスマス破壊計画
雪寺 信


時は、199]年(もう過ぎとるやん・・・)
これは、もう一つの北斗の物語である・・・(ウソ)


BLUE WINGS BREAKERS
〜Heat of the night!!〜


「きゃは♪
 クッリッスッマッスゥ〜〜〜〜♪」
 今日のブレーブは何だか知らんが、やたらテンションが高かった。
「るんるるんるる〜〜ん♪」
 腰まで伸びた彼女の緑色の髪が、今の気分を表すかのように揺れる。
「ディリ先輩は一緒に行きますか?」
「行きますかー・・・・って・・・
 んな事いきなり言われたってあたしには何が何だかさーっぱりわっかんないんだ
けど・・・・・」
 セミロングの髪の毛を両手で後ろに押しやって、ディリ・・・・
ブレイディ=ステックスは、お気に入りのビームサイズを振り回した。
「とぼけちゃって〜〜
 分かってるくっせに〜
 殺る気まんっまんじゃあないですか〜」
ブレーブは笑顔でメインウエポンの大剣をかついだ。
カップル狩り!
この前二人が電話で話してたとき、ディリがふと思いついた究極のミッション。
「うっふふふふ・・・・・♪」
「キャハ・・・・・・♪」
 二人の目は怪しく輝いていた。
 本来ならばこの二人には決まった男がいるのではあるが・・・・
チャキっ
なにやら私の首筋に冷たい物が刺さっている気がする・・・
「へえ・・・・・それってアタシの場合、
 相手は誰なのかな〜〜?」
「とぼけても無駄よねー
 レアっちょ(ブレーブのこと)の相手って言ったら
 ティラ=アール君(13)に決まってんじゃないの。
でしょ?さっくしゃ?」
「その通りじゃ。」
 ぶしゅう。
 なにやら生暖かい感覚がある様な気がする・・・。
 世界がグルグル回ってる・・・・
 ああ、また首チョンされたのか・・・・(泣き)
「まーーーーーーったくうっ!!!!!!
 こぉぉ〜〜〜の
 クソ作者がぁ!!!!!!!」
「照れちゃだーめよ?」
「照れてないっす!!!!!
 まーーーったく、何でいつもいつもそーやって 
 皆で“ティラ×あたし”を奨めるかなーーーー(怒)」
「だって作者公認でしょー?」
「作者こーにんがどーしてかんけーあるんですかぁ!!!」
 ブレーブの顔がどんどん赤くなっていく。
「だいったい!!!
 ディリ先輩だって相手いるじゃーないですか!!!!!」
「あー♪“あたしだって”って言う事は“ティラ×ブレ”はしょーにんって事〜?」
「ちっっっちがっっ!!!」
 あーあーあー
 ったくこの娘は13のくせにのろけやがってー
「とっ・・・・とーにーかーくぅ〜〜〜!!!!!
 ミッション決行よ!!!!
 誰がなーんと言おうとぉっ!コレだけは決まってんだから!!!!!」
 ブレーブは苦し紛れの開き直りをみせた!!!!
 ディリの士気が20パーセントアップ!!!!
「うふふ・・・♪
 狩の時間ね・・・♪」
 二人が完全に出撃体制を整えたその時だった。
「あのなあ・・・・お前ら・・・・・」
「うわあああああ!!!!!!!!!」
「おにーちゃんー(汗)」
 ブレーブの背後に一人の男が立っていた。
深い青のツンツンした髪の毛に、黄色のメッシュの入った少年(少年・・・?)
メドロ=ステックス。
「あの・・・黄色のも地毛なんっすけど・・・・」
 わーってるっちゅーの。ったく・・・。
 お前らのせってー組んだのは俺なんだからよー。
「メ・・・メド先輩・・・・」
 ブレーブは慌てて背中の後ろに剣を隠した。
「はみ出てるぞ・・・・」
剣がでかすぎて、ブレーブの身長ではちょっと隠し切れなかった・・・・
「は・・・ははは・・・・」
「お前ら・・・カップル狩りはやめとけ・・・・」
「な・・・何で駄目なんですか!!??」
おまえ・・・それより先に何で二人だけのヒ・ミ・ツ♪を知ってんだ・・・
ぐらい考えらんないんか・・・・・
「ブレーブ、ディリ、お前らは変態に会いたいか・・・?」
「絶対会いたくないです!!!!!!」
 ブレーブ即答。
「・・・ちょっと気になる・・・かな?」
・・・駄目じゃん・・・お前・・・
「実は今な、街にその、変態がはびこってんだよ・・・・。」
「いやあああああああーーーーーーーー!!!!!!!」
 ブレーブよく叫ぶなあ・・・・
 っつーか生首で冷静に実況・解説してる俺も俺だけんど。
「しかもカップル狙いの攻撃でなく、女性狙いの攻撃をしてくるんだ・・・。
 例えば・・・・・・」
その後はもう、ただひたすら伏字が連なった。
「へーんたーいー・・・・・」
「うそ・・・・」
 二人は既に涙ぐんでいた。
「っつーことで・・・・外出はよした方がいいと思うんだが・・・・
 どうでしょう・・・・」
「はい・・・・・」
 さすがに、今回に関しては二人はメドに従った。
 さっきまでの決意はどこへ行ったのやら・・・・
 二人の表情を見て、メドはおもむろに持参のバッグに手をやった。
「まあ、それじゃあさすがにあんまりだからさ、ここで皆で大騒ぎしようと思って
 リュウを連れて来たんだ。」
 さすがはメドだった。
 この二人、ブレーブとディリのなだめ方を良く知ってる、。
「きゃ♪リュウ来てんの!?」
「わ!さっすがメド先輩!!!
リュウ先輩どこですー?」
「バッグの中。」
・・・・・・・・・
「いやさー、リュウがもったいないから電車代一人分で済まそ〜って
言うからさ。」
「たった一駅分の180円を・・・・・」
「ホントはバッグの中に入ってみたかっただけなんだけどね・・・・・」
 バッグからリュウが顔を出した。
 ピンクの色した、ニュートンに喧嘩売ってる髪形。
 一番年齢に近い顔つきをしてる・・・・。
 リュウはそのままバッグの中から這いずり出て来た。
「・・・・・・・・・」
「さー!パーティーしよー!!」
「おー。」
「・・・・・・・・」
 ブレーブもディリもあきれていた・・・。



「では!!!!
 今度はボクがサンタさんをしょーかんしまーす!!!!!」
 ちょっと酔っ払ってるかなー?って感じのリュウが、
一発芸(?)を見せると言い出した。
 メドはもう、一発芸は懲りている・・・。
 さっきはべろんべろんディリがいきなり
「23番ディリりん、脱ぎまー〜〜〜〜〜〜す!!!」
 とか言い出したり、ブレーブの背後に回って
「15番ディリ、レアちゃんを脱がせまー〜〜〜〜〜〜す!!!!」
とか始まったからだ・・・。
まあ、今度のはさすがにリュウだし・・・・なあ・・・・。
 リュウはサンタを呼ぶための準備を整え、秘文(どっから持ってきた・・・)を
読み出した。
「我が声に答えよ、
 そしてその姿を表せ。
 全世界、全宇宙をその手につかみ・・・・・」
 っていうか・・・何でサンタを呼ぶのにこんな怪しい儀式が必要なんだ・・・?
 儀式の用意はこれもまた伏字オンリーだった。
「メ〜ド〜せんっぱい♪
 リュウ先輩の読んでるのってぇ〜、
 来栖川先生の書いた大ヒット作、
“冥界への門 召喚編じゃないですか〜?」
「・・・・・・」
 そう、サンタを呼ぶ本に、何で髑髏(ドクロ)が描いてあるのだろうか。
 まさか・・・・いま、リュウが呼ぼうとしてるのは・・・・・
「混沌に埋もれし闇の世界より、今、汝を解き放たん!!!
 魔の一族の王よ!!!!
 汝の名は・・・・・・
 サンタ!!!!!!!!」
次第に家全体が激しく揺れ始め、生贄がグロテスクな音を立てながら
その大きさを増していった。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴぉゴゴゴゴゴぉゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴぉ語ゴゴぉっ後ぉ午後後ゴゴゴゴゴぉゴゴゴゴゴゴゴぉ午後後ぉゴゴぉ語g・・・・・・・・・・・・・
「あちゃー・・・・・・」
そこには、闇を集めて具象化したと表現するのが最も正しい、そんな感じのものが
たたずんでいた。
「我を呼ぶのは誰か・・・・
 しかも微妙に間違ってるし・・・・・・・」
「あれー・・・サンタさんじゃないの・・・?」
 そりゃーどー見たってサンタじゃなかった。
「我はサンタなどではない!!!!!!
 大悪魔王、サタン様だ!!!!!!」
 その風貌は・・・・・ご想像にお任せしよう。 
 ただ、黒いとだけ、言っておこうか・・・・。
「へえ〜〜〜〜あ〜んたがサンタあ〜〜?」
 ディリ、もうどうしようもない・・・・。
「違あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜―ううっ!!!!!
 サ・タ・ンだ!!!!!!!!!」
「サタンって・・・・サンバイマオウサタンのサタン〜〜〜」
 意味不明。
「ふっははははは!!!!!!!
人間どもよ!!!!クリスマスだとウカれおって!!!!
このワシが地獄の一日にしてやろうぞ!!!!!」
「じゃ、なに?
サンタの代わりにサタンが来たから
ジングルベルがジングルヘルになって
ベリー苦しみまっす!!!???」
「その通りだ!!!!!」
良いのかサタン・・・・・
「リュウ先輩!!!! 
 サンタじゃないみたいですよ〜?」
「どーしようねーディリちゃんー。」
「もちろん、滅殺でしょ?」



 ・・・こうして、サンタによって・・・・ちゃう!!!サタンだ!!!くそ・・・
そのサタンによってもくろまれた、“世界ジングルヘル計画”は、一瞬にして
平均年齢13,66歳の少女達によって潰されたのであった。
「サーーーンタァ〜〜〜〜〜〜!!!!!
 あったしの注いだ酒が飲めないの〜〜〜!!!???」
「いえ・・・・何度も言いますが
私サンタじゃないんですが・・・・
それから・・・・・・お酒は二十歳になってからのほうがよろしいかと・・・」
「くっちごたえすんなーーーーーーーーー!!!!!」
ドげし。
「しくしくしく」
「ディリ先輩サイコ〜〜〜〜!!!」
・・・もう・・・どーでもいいや・・・・・
メドはそう思って全てを諦めた。
この作品、ブルウィは、何でもありだし・・・・・。
「メード君♪来年もサンタさん呼ぼうね〜〜〜〜〜♪」
「・・・・・・・」


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ここから戦略的撤退を行う