AIR


さて、「感動系」大嫌い人間の俺が、ほぼ例外的に「嫌いじゃない」のがこのゲームです。
このゲームは認めない訳にはいかないでしょうね。
非常に難解な、かなり重たい展開を持つゲームですが、主題は非常に明瞭です。
ただし、物語の主役が誰であるかをはっきりと掴んでおかないと、物凄くアンハッピーな、ただの出来損ないの物語に見えてしまいます。

エロ (点数が高いほどエロいです) 12点
原画 (点数が高いほど俺的には綺麗) 71点
キャラクター (点数が高いほど魅力があります) 88点
ヴォイス (点数が高いほど上手です) なし
ストーリー (点数が高いほど完成度が高いです) 92点
音楽 (点数が高いほどシーンとマッチしています) 87点
システム (点数が高いほど扱いやすいです) 96点
難易度 (点数が高いほど攻略が難しいです) 16点

 

★さて、何よりも始めに書いておかなきゃならないんですが、このゲーム、つい最近やり直すまでは、俺にとってはかなりランクの低い(と言うか最低レベル)のゲームでした。
それが、色々サイトを回ったりなんだりしているうちに、自分の解釈が浅かった事に気がつき、再度プレイしてみたら、実は奥の深いゲームだった、と。
エロゲーマーとしては恥ずべきことではありますが、Keyというブランドに対して無意味な反発があったようです。
しっかりやりこんでみると、これは侮れないゲームでした。
そういう訳で、取り敢えずは自己批判します。

愚か者め、俺。
申し訳ありませんでした。

さて、総合で見るとこのゲームは相変わらず非常にストーリー重視モノなんですが、Kanonでやや蔑ろにされていた部分に力点を置いていて、バランスが大幅に良くなっています。
とはいえ、「人の善意だけをクローズアップする」と言う視点が変わらず、人間描写が偏りがちではありますが。
俺的にはもうこのブランドにエロは求めません、とっくの昔に諦めました。

 

●エロ

相変わらず希薄で、エロを回避してもクリアできちゃう辺り、もう「エロゲー」としては完全無欠に失格です。
とはいえ、お約束の主人公妄想シーンの頭の悪さがアップした点は買います。

●原画

相変わらず「いたる画」なんですけど、気のせいか(俺の絵心がアウトだからか)ちょっとレベルアップしているように見受けられます。
実際の所どうなんでしょうね?

●キャラクター

今回は、キャラ造形に随分しっかり時間を費やしたようです。
よって、お得意の小細工(異常な口癖とか)も非常に効果的に効いてます、この点はかなり評価できます。
ただ、キャラ的に全員が似通った性格(ヒロイン全員ボケボケとか)をしていたりするのはどうかと。
今回は、3人のヒロインの存在が各々非常に重要な意味を持っていますから、必然的に練り込まれていると言えるでしょう。

●ヴォイス

ありませんが、コンシューマー版のヴォイスは中々に絶品との噂があります。

●ストーリー

全体的にテキスト量を減らし、すっきりと纏めてあります。
くどい言い回しなどを捨てて淡々と描いているのですが、これが返って効果的になりました。
俺的に一番評価したいのはこの点ですね。
また、各ヒロインと正ヒロインの間に明確なストーリーの違いを持たせていますから、どれもが意味のあるものになっています。
特に、正ヒロインのお話は難解で淡々としていながら感動的という、実に完成度の高いものになっています。

●音楽

今回はかなりすっきりと仕上げてあります。
主題歌の「鳥の詩」も、Kanonの「Last Regrets」に比べると、17倍は聴き応えのある曲です。
またここ一番、一番良いシーンで流れてくる「青空」も、まさに演出音楽家の面目躍如です。
とはいえ、相変わらずのあざとさはありますがね。

●システム

もう文句ナシに扱いやすいです、この点、このブランドは文句の付けようは全くありません。
右クリックとマウス移動だけで全てが片付きます。
セーブリストの数もかなり多く、ここは他のメーカーも謙虚に見習うべき点だと思います。

●難易度

ストーリー重視のゲームにありがちな話ではありますが、全く持って簡単です。
ただし、隠しCGを手に入れるにはそれなりの苦労が必要かもしれません。

 

★総評ですが、前作の良い点を残しつつ、更にレヴェルアップを図ったように見受けられます。
特に主人公の存在意義はかなり大幅にアップしていて、前作が「ただの人」に過ぎなかったのに対して、今度はしっかり「キー・パーソン」としての存在になっています。
また、前世からの因縁を引き摺っているというかなり常軌を逸した設定も、今回は自然に受け入れられます。
かなり細かい所まで気が配られていると感じました。
確かに鍵っ子達が狂うのもわかります。
ストーリーゲームの名作だと言える、非常に優秀な一本だと思います。

しかしまあ…………エロゲーとしちゃぁ0点以下なんですけどね………………。

 

公式サイトはこちら ⇒      と言うか裏葉たんハァハァ


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