ジョジョハート

ジョジョ+ToHeartで送るジョジョネタ


ジョジョハート(JOJO+To Heart):葵ルート4月29日

             あおい   と   さ か し た
血戦! Aoi & Sakasita の巻

 

ぶんっ!
不意に背を向けた坂下が、虚を突いた後ろ蹴りを繰り出す。
葵ちゃんは、左に回り込んでそれをかわす。
そして、反撃。
一瞬の隙を逃さず、インステップからのワンツー、さらに――。

シュッ、びしぃ――っ!

得意技、上段回し蹴りのコンビネーション。
坂下は辛うじて左手でブロックしたものの、表情にはあせりの色が色濃く浮かんでいた。

【坂下】「カエルの小便よりも…………下衆な! 下衆な上段回し蹴りなんぞをよくも! よくもこの私に!」

顔を押さえながら睨みつける坂下。

                            ク   ウ   ア   ア
【坂下】「いい気になるなよ! KUAA! てめえら全員! 空手のエサだッ! 青ちょびた面をエサとしてやるわ!」

【綾香】「出たわね! ヤツのこの世のどんな悪よりもドス黒い性格が! これまでの冷静さやダンディ(?)な態度など仮面に過ぎないわ! これがヤツの本性! 初めて味わったヤツの屈辱的エクストリーム初体験ってわけよ!」

【浩之】「それはレフェリーじゃなくて解説役だろ……」

 


ジョジョハート(JOJO+To Heart):マルチルート4月15日

怪ロボマルチの巻

 

教室を出たところで、ぞうきんを片手に、窓拭きに精を出す女生徒を見かけた。
メイドロボットのマルチだ。
今日も一人で掃除してる。
どうせまた、まわりの連中にいいように利用されて、こき使われているのだろう。
すぐ側まで近付いたのに、マルチはオレに気づく様子もない。
そこでオレは――――

 

A:「わっ!」と驚かす

B:声を掛けてさようなら

 

こういう無防備なヤツは後ろから驚かせてやろう。
オレは足音を忍ばせ、さらに近付くと、すぐ真後ろに立った。
それでもマルチは、まだオレに気付かない。

【マルチ】「るんるんるるるるんるりら〜、るん、る〜んるんるん、るん、るるるる、るりら〜」

楽しそうに鼻歌混じりで窓を拭いている。
いったい、なにを歌ってんだか。

「るんるんるるるるんるりら〜、るん、る〜んるんるん、るん、ルン! ルン! ルン! ぬウフフフフたまげたかァああ!

…………それは歌じゃねーって…………。

 

ジョジョハート(JOJO+To Heart):マルチルート4月15日

忘却の彼方への巻

 

オレは、すぅ〜と、息を大きく吸い込むと………、

「わっ!」

…と叫んで、背中を押した。

【マルチ】「……………」

ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………パタン。

あっけなく気を失い、床に崩れ落ちるマルチ。

【浩之】「………え、えっと…」

しばらく呆然とそれを眺めていたオレは、苦笑しながらまわりの様子を見渡した。
注目している生徒はいなかった。
視線を足もとに戻す。
仰向けに倒れたマルチはピクリとも動かない。

【浩之】「…お、おい、マジかよ」

オレは呟きながらしゃがみ込むと、

【浩之】「マ、マルチ…」

その頬を、つんっと指先で突っついてみた。
頭が、くたっ…と90度横に傾いて、前髪がはらりと舞い落ちる。

【浩之】「なあ、マルチ、冗談だろ?」

【マルチ】「……」

だが、マルチはなんの返事もしなかった。
げげっ。
まさか、ホントに壊れちまったのか…?

【浩之】「マ、マルチ、マルチっ」

オレは、仰向けに倒れた細い肩を抱き起こした。
マルチの体は、とても機械でできているとは思えないほど軽かった。
ちゃんと体温があり、そのうえ柔らかい。
本当に人間そっくりだった。

【浩之】「おい、マルチ、しっかりしろ!」

ぺちぺちっ!

オレはほっぺたを叩いた。
温かくて柔らかな、人間そっくりな肌。

【浩之】「マルチッ、マルチってば」

ぺちぺちっ、ぺちぺちっ!

【マルチ】「……」

だが、なんの反応もない。

【浩之】「おいっ、マルチっ、マルチっ! 起きろ…マルチィィ……起きるんだ、目を覚ませマルチ、お前にも永遠をやろうではないか! その故障も直す…セリオと永遠を生きられるぞ…マルチ!

ゆさゆさと激しく肩を揺さぶってみた。

【マルチ】「……」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

【浩之】「マルチ…!?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

【浩之】「こ…こいつ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

【浩之】「……死んでいる……!」

 


 

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