Kanon
もう語り尽くされている気もしますが、エロゲー界の食物連鎖の頂点に君臨するKeyのメガヒット作です。
このゲームの爆発的な売れ行きによって、エロゲー界は大きな変質を遂げました。
つまり、それまで「純愛」と「鬼畜」であった筈の括りが「感動」と「外道」に別れちゃった訳です。
そういう意味で、このゲームの功罪は俺によっても語られなければならないかと思います。
エロ (点数が高いほどエロいです) | 7点 |
原画 (点数が高いほど俺的には綺麗) | 68点 |
キャラクター (点数が高いほど魅力があります) | 73点 |
ヴォイス (点数が高いほど上手です) | なし |
ストーリー (点数が高いほど完成度が高いです) | 80点 |
音楽 (点数が高いほどシーンとマッチしています) | 83点 |
システム (点数が高いほど扱いやすいです) | 82点 |
難易度 (点数が高いほど攻略が難しいです) | 33点 |
★このゲームは、各パーツのみで見ると大したことはありません。
いたる女史の画は常に批判の対象ですし、シナリオは露骨にお涙頂戴ですし、音楽は単体では耳を素通りしていく程度のものです。
主題歌も、ただ聴いてるだけじゃはっきり言ってつまらない曲です。
しかし、全てのパーツが統合されると物凄い化学変化を起こし、根っからの鬼畜者である俺でさえ不覚にも感動しました。
つまり、このゲームは「演出」のゲームなのです。
それがKeyマジックとでもいうべきものであり、彼らの最大の武器な訳です。
つまり、Keyは「非常に優れた演出家の集団」だということができるかと思いますね。
●エロ
0点つけなかっただけマシだと思ってください、それくらいエロは希薄です。
●原画
樋上いたる女史の画は「いたる画」と呼ばれる独特の世界で、他に類型はありません。
良く「デッサンが狂ってる」だの「バランスが悪い」だのと批判されますが、ドシロウトの俺からすると何が悪いんだか分かりません。
ついでに言えば、俺はいたる女史の画は嫌いではないです。
勿論、上手いとは思えませんが。
●キャラクター
それほど深く設定されたキャラはいません、みんな後付けの小道具(口癖とか趣味とか)でキャラを立たせてます。
人生を感じさせる程深いキャラは、むしろサブキャラのほうがメインです。
ヒロイン達よりも、サブキャラのほうに魅力があります。
●ヴォイス
声はありませんが、あると返ってイメージを崩す可能性もあるやも知れません。
コンシューマー移植の時には、それでかなりの問題になっていました。
●ストーリー
先述の通り露骨な「お涙頂戴」で、泣かせる為ならどんなぶっ飛んだ設定でも平然と通してきます。
はっきり言って臭いんですが、誠に悔しい事に書き方が結構上手いので、それを受け入れざるを得ません。
実力は認めます。
しかしながら、どうせならばもっと自然に感動できる話を持ってきて欲しかったです。
●音楽
滅茶苦茶あざといです。
オルゴールを使ったり、リバーブを派手に使ったりと、これでもかとばかりに「幻想的」な雰囲気を作り出します。
流石に単体では受け付けませんが、物語中では凄い効果を発揮しますから、やっぱり盛り上げ方が上手いってことでしょう。
作曲家としてより、演出家としての面目躍如ですね。
●システム
非常に単純で、扱いやすいシステムになっています。
敢えてシンプルなシステムを採用した所は文句無しだと思います。
●難易度
決して難しいゲームではありません、その気になれば1日でCG全部埋まります(俺はやった)。
ただ、一度クリアしてから出てくるおまけCGの位置が、意外とわからなかったりします。
もう1度お話を味わうつもりでやりなおすのが良いでしょう。
★総評ですが、なんだかんだ言ってこのゲームは良いゲームだと認めざるを得ません。
エロゲーとしては完全無欠の落第生ですが、「お話」としては極めて高度な演出を持っていて、それを否定するのは流石に冒涜ってモンです。
ただ、余りにも臭過ぎです。
もっと自然な流れで感動させて欲しかったと思いますし、それが出来るKeyのスタッフだと思います。
あんまりごちゃごちゃと飾り立てた話を作らず、もっとシンプルな、スマートに削ぎ落とされた話を見せて欲しいと思うんですが……。
公式サイトはこちら ⇒ と言うか佐祐理たんハァハァ