ニューロエイジ日記
「トーキョーNOVA」という、テーブルトークに関するリプレイ日記。面白いから皆さんも是非プレイしてみてください。
NO 1 9月15日
どうせ、このページを読む人で、ここを読む人なんかいないだろーなー・・・。
でもいたとしたら、いきなり訳のわからないことを書かれても困るでしょうから、トーキョーNOVAとは何か、という事から入ろうと思う。
トーキョーNOVAというのは、テーブルトークRPG、つまり、自分がキャラクターになりきって演技する、という遊びの一種である。
よくファンタジー世界を題材にして、遊ばれているアレ。
つまりは「ドラクエ」とか「ファイナルファンタジー」とか、あの主人公に自分がなりきって、言い換えれば演技して楽しむ遊びである。
ここまで言って解らない方は、はっきり言って絶望的です。
悪いことは言いません、以後、このコーナーを読むのはよした方が良いでしょう。
ここから先を読む人は、解っているものと仮定して話を進めよう。
テーブルトークと言うと、先ず付いて廻るのがダイス、つまりサイコロである。
それから、細かい設定と難しい世界観。
声を大にして言いたいが、トーキョーNOVAは、それがないのである。
ダイスの代わりにトランプを使い、世界観も極めて単純。
これは大きい。
トランプを使うという事は、手札が廻ってくるという事で、当然、サイコロのような「イチかバチか」と言う賭けがない。
自分の意思で失敗しても良いし、切り札を取っておいて、ここ一番で華麗に成功してもいい訳だ。勿論相手も黙っている訳ではないから、時には「対決」しなければならないこともある。それでもダイスみたいに危険な賭けはなく、極めてドラマ性の高いロールプレイ、つまり、演技を楽しめるのだ。
NOVAシステムで重要な約束ごとはただひとつ、カッコよく生きることである。たとえ死んでしまったとしても、カッコイイ死に様を見せる、つまり、生き様を貫いて死ぬなら、それが勝利者になるのだ。
その証拠に、経験点はキャストではなく、プレーヤーに渡されることになっている。
どうだい、他のテーブルトークとは一味違うだろ?それじゃ、次は世界観だ。
ある日、突然地軸がひっくり返り、地球が真横を向いてしまった世界。
当然、大勢の死者が出るだろう。サードインパクトも真っ青だ。
ところが、ある一国だけは、大きな利益を得ることになった。
それが日本国だ。
優れた技術力で食糧難を乗り切った日本は、なんと時代遅れの鎖国を発表する。他の国は猛反対するが、日本の技術が失われれば、他の国はたちどころに滅びてしまうことになる。そこまで他の国は、疲弊していたってわけ。
しぶしぶ日本の言いなりになった諸外国との唯一の交易の街、それがNOVAという街だ。
ここには様々の人間が、破滅と隣り合わせの夢と希望をもってやってくる。歓喜と厄災と退廃の街、トーキョ−NOVAへ・・・。
という具合。
プレーヤーは、NOVAの住人として歴史を作っていく訳だ。解りやすいでしょ?
NOVAの出来た世界は、ニューロエイジと呼ばれている。ニューロエイジで活躍するプレーヤーの分身は、ペルソナ、キー、シャドウという三つの人格で構成されている。心理学の本を読み給え。必ず載ってる言葉だ。
つまり、自分の生き様を、より深く追求出来るシステムなわけだ。
生き様の事を、ニューロエイジでは「スタイル」と呼ぶ。スタイルは全部で22個。この中から、自分に合ったものを三つ選択するんだ。
勿論、三つとも同じスタイルでも構わない。
スタイルには、それぞれ、理性、感情、生命、外界という項目がある。これにそれぞれ、数字がついている。
例えば理性3、感情3、生命0、外界1、という具合だ。
これは何を表すのか。それは個人差を無視して、統計として得られた、そのスタイルの人々のポテンシャル、つまり能力のことだ。
各スタイルは、合計で7点の能力値を持っている。それが4つの項目に、0から3までの間で割り振られている。
ペルソナ、キー、シャドウ、3つのスタイルを選択し、そのスタイルの持っている数値を足して、理性、感情、生命、外界、の四つの総合能力が決まる。
四つ、と聞いてピンとこないかい?
この四つの能力は、トランプの絵柄と対応しているんだ。具体的な説明は省くけど、決定した能力値とトランプの数字を足して、相手と対決する、と考えて欲しい。
当然、高い能力と低い能力が出てくるけど、作りたてのキャラクターは、一律、みんな合計で21点なんだから、文句はなしだ。
でも、ちょっと待って欲しい。
「キレる」という言葉があるよな。
誰だって、我慢の限度を超えることがある。そんなとき、キャストはその状況に耐えられるのか?耐えられるとしたら、何を基準にして、そう断言するんだ?
NOVAシステムには、その判定の方法まで、ちゃんと用意されている。
それが、制御値というもので、理性、感情、生命、外界、それぞれに振り分けることが出来る。
能力と制御の数値が近ければ近いほど、そいつは自分をコントロールしやすい人間だってことになるわけだ。
どうだい、よく出来てるだろ。思わずやりたくならないか?
と、いう訳で次回からは、実際に行ったプレイを、主に小説風にして書き記してみようと思う。
読み物としても面白いものになるよう努力するから、みんなも読んでみてくれ。
そして、誰か一人でもNOVAの魅力を理解し、一緒にプレイしてくれたら、幸いだ。
NO 2 9月19日
前回書いた通り、17日に行われたアクトを、小説風に記してみた。
ただし、このアクトは非常に長いものなので、何回かに分けて記してみようと思う。
今回は、導入部分を、なるべく世界観を重視しつつ描いてみた。
今回のキャラクターデータは、この連載が終わったら、一気に掲載するつもりなので、少しの間待って欲しい。
それでは下をクリックしてくれ。君をニューロエイジへ誘ってくれるぜ。
NO 3 11月1日
この間の続きを書こうとも思ったが、その前に是非知っておいてもらうべきことがあることに気がついたので、予定を変更、ちょっとした解説書みたいなものを書いてみる事にする。
なにを解説するかと言うと、始めにちらりと書いた「スタイル」というものの概念である。
「スタイル」とは、何度も繰り返すが「生き様」の事である。つまり、どういう信念の元に生きているか、ということだ。
NOVAの世界では大雑把に括って22個のスタイルが存在している。何故22個?と訝しがる向きもあろうが、これにはちゃんとした意味がある。
実は、この数字は「タロット」と対応した数なのである。
各々の「スタイル」にはそれぞれ暗示する意味があり、それが「タロット」対応している。実に意味深だろ?
さて、具体的に「スタイル」の解説に入るけれど、その前に大前提。
プレーヤーの操るキャラクター(キャストと呼ぶ)は、基本的に超人である。だから、一般的な常識で行動を縛られる事はない、といっていい。
それを如実に表すのが、「神業」と呼ばれる存在だ。
「神業」とは、22個のスタイルが、各々一つずつ所有している傍若無人な荒業の事だ。この「神業」は「こうする!」とプレーヤーが宣言すれば、無条件でそうなるという効果を持っている。
この効果を打ち消せるものは、やはり「神業」しかない。
この「神業」というものがキャストの超人性を実に良く表している。
では、具体的に「スタイル」の解説と、それが所有する「神業」の効果について言及していこう。
「スタイル」の名前 |
「スタイル」の解説 |
「神業」 |
「神業」の解説と効果 |
0:カブキ |
アーティスト・ |
チャイ |
幸運な偶然により |
1:バサラ |
念動術師・魔法使い |
天変地異 |
自分の知覚できる範囲内に、 |
2:タタラ |
技術屋・発明家・ |
タイムリー |
いかなる状況下であろうと |
3:ミストレス |
女親分・姉御・ |
ファイト! |
自分の神業を減らすことにより、 |
4:カブト |
ボディガード・用心棒・ |
難攻不落 |
放っておいたら死にそうな奴を、 |
5:カリスマ |
政治化・アジテーター |
アジ |
群衆を扇動し、意のままに操る。 |
6:マネキン |
色事師・遊び人・ひも |
プリーズ! |
自分の神業を使い、 |
7:カゼ |
走り屋・運び屋・暴走族 |
脱出(エクソダス) |
どんな状況からでも |
8:フェイト |
探偵・正義の味方 |
真実(トゥルース) |
どんな事でも知る事ができる。 |
9:クロマク |
犯罪結社のドン・ |
影武者 |
自分が不都合になった時、 |
10:エグゼク |
重役・ブルジョア・殿様 |
買収(M&A) |
金で買えるものなら |
11:カタナ |
戦士・殺し屋・ |
死の舞踏 |
接近戦にて任意の相手を、 |
12:クグツ |
非合法エージェント・ |
完全偽装 |
偽のIDを発行できる。 |
13:カゲ |
現代の忍者・スパイ・ |
不可知 |
どんな状況だろうと、 |
14:チャクラ |
格闘家・モンク・修行者・ |
黄泉返り |
死んだ者を蘇生できる。 |
15:レッガー |
チンピラ・犯罪者・ |
不可触 |
自分もしくは誰かの |
16:カブトワリ |
狙撃手・ガンファイター・ |
止めの一撃 |
どんな状況でも、 |
17:ハイランダー |
エリート・選民・ |
天罰(ネメシス) |
特権を使い |
18:マヤカシ |
幻術師・退魔師・霊媒・ |
守護神 |
自分の守護神より、 |
19:トーキー |
報道カメラマン・ |
暴露(エクスポーズ) |
如何なる圧力も撥ね退けて、 |
20:イヌ |
警察官・シェリフ・警備員・ |
制裁(パニッシュ) |
法の制裁を加えられる。 |
21:ニューロ |
ハッカー・クラッカー・ |
電脳神 |
ウェブ上である限り、 |
いかがだろうか。判っていただけたかな?
こうやって見ると、自分がイメージするキャラクターがどんな「生き様」を持っているか、分かると思う。
いや、それよりも、自分自身が、どんな「生き様」をしていて、どんな「スタイル」を持っているかということを考えてみれば、もっと分かりやすいと思う。
例えば私自身でいえば、ミュージシャン魂に溢れているので、とりあえず「カブキ」。次にPCを操っているのが趣味なので「ニューロ」。でもって、悪党なので「レッガー」といった感じである。
これが、「生き様」と「スタイル」の関係である。
良く出来ているだろ?
さて、次回の更新でも、連載より先に、キャラクターの作り方という奴を優先してみようと思う。
多分、そちらから入ったほうがよりNOVAの世界を楽しめるだろう。
それでは一先ず、さらばだ、諸君。
NO 4 7月 27日
随分久し振りだな、おい(笑)。
今回は「キャラの作り方」というところ。
随分間はあいてるけど、前回の約束は反故にはしないぜ。
ただし、今回は「第一回目」ってことで勘弁してくれ。
ここが重要なところだ、じっくり説明したいんでね。
1:まず、キャラのイメージを決める
どんなものでもそうだな、年齢は? 性別は? 職業は? 背の高さは? 体重は? どんな癖がある?
こういったものを先行して、自分の中でイメージを作ろう。
やっちゃいけないのが、「このスタイルを使いたい」ってヤツ。
はっきり言って、キャラとして見ててつまらんのが出来ちゃうぞ。
具体的なイメージを想像しにくかったら、漫画のキャラなんかを使うと良いね。
2:「現在の職業」に該当する「スタイル」を、キャラクターの「ペルソナ」に当てはめる
「ペルソナ」とは、つまり上っ面である。
なんでここに「現在の職業」を当てはめるかと言うと、全ての人が望む職業に就ける訳じゃない、ってことだ。
要するに、表向きはサラリーマンでも、心の中は警察官だったりアーティストだったりする人は大勢いるぞってことだな。
「そんなことはない、コイツは心の底から今の職業を愛しているぞ」という人、ちょっとまって欲しい。
それはそれで、ちゃんと説明をつけていくから、今は取り敢えず言う通りにしてみてくれ。
3:心の底で「なりたい」或いは「なりたかった」と思っているものを「キー」に当てはめる
ちょっと分かりにくいかもしれないが、ここがキャラ作りの一番のポイントだ。
例を出しながら説明していく。
例えばここに29歳、真面目な会社勤めのサラリーマンがいるとしよう。
この男、表面上こそサラリーマンとして真面目に勤務しているが、本来の志望は実はロックンロール・ヒーローだったりする。
無論、そのために昔はギャンギャンにギターを弾いていた時期なんかあったりして、それなりのスキルを持っている。
こんな感じで例えると分かりやすいだろう。
つまり、この男は表面上はサラリーマン、つまり「クグツ」であり、本心はアーティスト、つまり「カブキ」であるわけだ。
なので、「ペルソナ」が「クグツ」、「キー」が「カブキ」となるわけである。
「キー」とは、つまり本当の心の事であり本心の事だ。
言わば「魂の奥底」といって良いだろう。
これが一番しっかりと捉えられていないと、そのキャラの魅力は半減してしまうよ。
で、本心も表向きも一致している人はどうするかってことだ。
そういう人は、同じ「スタイル」を重ねて取って、「ペルソナ」と「キー」に当てはめればいいのです。
会社に忠誠を尽くし、心の底までサラリーマンとして生きている人なら「ペルソナ」が「クグツ」、「キー」も「クグツ」となれば辻褄が合うわけです。
4:本人も気が付いていない「隠れた才能」を「シャドウ」に当てはめて、スタイル完成
そんなものは無い、と言い切るのなら、「キー」か「ペルソナ」と同じ物を取り給え。
無論、3枚とも同じスタイルでも一向に構わないんだからね。
ただ、こういった「隠れた才能」を設定すると、キャラの魅力が増すぜ。
先述のサラリーマン29歳を引き合いに出してみようか。
ロックンローラー志望のサラリーマン、この男、自分では気がついていないが無意識のうちに大衆を引きつける魅力に溢れていた。
彼のためなら喜んで助力を惜しまない、という人間は、実は大勢いるのだ。
そう、彼には素晴らしい「人望」があったのである、なんて設定だったら、「シャドウ」に「カリスマ」を追加してやれば完成だ。
どう?
ここまでは案外簡単でしょ?
5:「スタイル」と本人の特徴との関連付け
さて、プロファイルシートの「スタイル」欄には、トランプのマーク、つまり「スート」が描かれてある筈だ。
これはつまり、対応する「スタイル」が、その人にとってどんな位置付けにあるのかという意味を表すものだ。
これも前例のサラリーマンを引き合いに出してみよう。
つまり、彼は常に会社に通わなくてはならないことを「知って」いるのだ。
「知る」=「理解している」という事であり、これは「理性」の範疇の話である。
よって、彼の「ペルソナ」である「クグツ」は「理性的な」スタイルなのである。
「理性」を現す「スート」はスペードなので、「ペルソナ」である「クグツ」と書きこんだスタイル欄のスートのスペードを塗りつぶせば良いわけである。
だが、魂の奥底では彼は伝説のロックンローラーになることを欲している。
我慢できない欲求が、常に彼を支配しているのだ。
これは、「感情」の産物といえよう。
「感情」に対応する「スート」はクローバーなので、彼の「キー」である「カブキ」を書き込んだ「スタイル」欄の「スート」の、クローバーを塗りつぶせばいい。
で、彼の魅力の根源は何処にあるのか。
彼の瞳には、「切り札を持ってるぞ」という強い意思があった。
この強い意思を持つ瞳の輝きこそ、人々を引きつけるものだったりする。
これは「肉体的」特徴といえるであろう。
「肉体」=「生命」とこのゲームでは捉える事になっているといっても良いので、対応する「スート」はハートである。
今度は「シャドウ」である「カリスマ」を書き込んだ「スタイル」欄の「スート」の、ハートを塗りつぶすって訳だ。
こうやって理屈をつけていき、「スート」を塗りつぶしていけば良いってわけ。
勿論、これは例にすぎないから、理屈が付くならどういうふうに「スート」との関連を持たせても良いのである。
これで、一応ゲームをスタートさせる事は可能である。
これだけの材料でスタートしたゲームを「クルード」と呼び、NOVAの基本形ともいえるプレイを楽しむ事が出来る。
だが、そこに言及するのはまだ先の話。
今は一つ一つ積み重ねていこうじゃないか、な?
さて、次回からは数字の配置も含めた細かな部分までのキャラの作り方を書いていく。
結構長くなりそうだけど、キャラが出来なきゃ意味が無いしね。
そんなわけで、次回も続いて「キャラの作り方」です。