第12話 一組(ふたつ)の指輪の巻

1019年3月

 

序那参に最期の時が訪れた。
あと一月待って欲しかったのだが…これも宿命、致し方あるまい。
後継ぎにはスピードワゴン(呂婆斗)を指名、序那参の最後のお勤めは終わった。

「悪くないぞ……娘の腕の中で死んでいくと…………いう………のは」

自分たちのしたことを後悔しない最高の大甘ちゃん、流石は英国紳士だ!
こうして誇り高き精神は、次の世代へと受け継がれていくのだ。

さて、序那参があと一月生きていれば、スピードワゴンの訓練は序那参が施す予定だった。
しかし、ここで序那参が死んでしまったため、急遽予定を変更しなければならない。
実力から言って、まともに稽古をつけられるのはなみだけだが、そうなると討伐は小緑一人のみ。
選択肢は二つ、スピードワゴンに自習させるか、小緑一人で討伐するか。
いや、もうひとつだけ隠し技がある。
それは交神。
一人欠けてしまったことだし、なみの年齢から考えてもちょうど良い筈だ。

「うう…わたしにとってそれは残酷なる勇気!」

という訳で、相手を決定せねば。
誰が良いか、ここは思い切って奉納点の高い「十六夜 伏丸」氏に決定である。

「それって納得いくかぁ〜? わたしはぜーんぜん納得できねえ……。チクショー、わたしにイヌッコロと交神しろってのか、イヌッコロとよォー!! 納得いかねー、クソックソッ!!」

無事に男子が誕生した模様だ。


奉納点:2611

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