第16話 慈愛の招き猫の巻

1019年7月

 

今月から酸多奈が実戦デビューだ。
一方でなみはその役目を終えて、来月には死亡する事になりそうである。
あの必殺「スパイラルドライバー」はもう見れなくなるな…。

「ついに、ついに来たかあの予言の時が。これが運命なら、あるがまま受け入れよう!」

で、早速投資。
売り払えるものは売り払い、金を作ってちゃかちゃかと投資していく。
なんだかんだで1万両近くの金が動いた。
経済対策としては中々に上出来と言えよう。

さて、酸多奈のデビューに合わせて、武器の装備をする。
状態で確かめてみると、まだまだ「技」の数値が弱い。

「酸多奈がなんだというのだ! やつは青っちろいガキ…番犬のような存在、我らとは比較にならん!!」

そういう訳で、ブンブン刀の装備はまだ早いと判断する。
強力に成長する可能性もあるので、一応持っていく事にはした。
因みに、健康度70を切ったなみは留守番である。
屈強を誇った女戦士も、今は年老いて日向ぼっこをしつつ茶を啜る毎日だ。

「シュールよのォ――――」

では、早速出撃だ。

今回の目的地は鳥居千万宮。
狙いはこれと言ってなく、どちらかというと酸多奈を鍛えるといった趣である。
無理な進軍は避け、のんびりと当っていく予定である。
早速戦闘開始。
まずは軽くザコ吸血ゾンビと対戦。

「死ネイイ」

炸裂するリブス・ブレード(露骨な肋骨)。
中々の好スタートである、流石は柱の男。
そして、3度目の戦闘で酸多奈が成長、おおっ、かなり驚きの伸び方だ。
これは強くなりそうだ。
更に成長、うむ、これは伸びるぞ。

「す…すごい知能の持ち主ということか!」

それはそうと、酸多奈の伸び方は実に平均的、「技の土」を除いては。
これはかなり強くなるだろう、術には弱そうだが。

さて、いよいよ強敵の紅こべ大将と対決だ。
小緑の眠りの一撃もあって、楽勝。
段々といい勝負ができるようになってきている。
これはそろそろ、次のステップを目指しても良いかもしれない。
そんな訳で、燃え髪大将に挑戦してみるつもりである。

と思ったが、燃え髪大将に挑戦する前に、紅こべ大将に遮られてしまった。
かくして「風の車」の強烈な術攻撃に苦戦する。

「NUUUAHHHHHHH―――――ッ!!」

結局、燃え髪大将とは戦えないまま帰還する。

「うっとおしい…………ぞ……この…原始鬼…が…………………」




奉納点:4368

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