1019年10月
呂婆斗が成人を迎えた。
これで交神が可能になった訳だが、現状ではその必要がない。
よって、交神は先送りにしておく事にする。
取り合えず、前回の討伐で手に入れたものを叩き売り。
朱の首輪の4444両が効いて、合計は1万3千両を突破する。
貴族に相応しい残金ではないか。
「ハッタリぬかすなよ―――ッ 金持ちのアマちゃん!」
続けて、商業部門に3000両、宗教部門に1500両、公共部門にも1500両を投下する。
これといって買い物はないので、自動的に倹約状態になる。
では、例によって出撃だ。
今月は鳥居千万宮討伐強化月間である。
非常に都合がいいと言えるだろう。
さっそく突入と同時に「速瀬」を重ね掛け、大幅にスピードアップを図る。
このスピード!
時間だって止められそうだ。
「時間でも止められたみたいに速すぎる!」
それにしても、相変わらず入り口近辺の吸血ゾンビでは相手にならない。
さっそく奥へと進軍する。
狙いは燃え髪大将である、雑魚どもには用事はない。
「どけい! いま…おまえを相手しているひまはない」
薙刀士である酸多奈のスピードが速いので、敵が一列に並んでいる場合、ほぼ確実に全滅させる事ができるようになった。
三人での討伐としてはかなり心強い。
流石は柱の男。
「むだなあがきよ、全員体内にとり込んでくれるッ!」
ニヤリ
しかし、紅こべ大将は相変わらず倒しきれない。
ダメージが通らない。
「やは…り…こいつの体と………オレは……反撥しあう………………」
まあ、先手を取っていくしかないようである。
しかし、ダンジョンの奥の敵は術を頻繁に使ってくるため大苦戦。
呂婆斗の健康度はあっという間に77まで下がってしまった。
ぐううう、慎重を旨とするこの俺としたことが、なんというミス!
「おまえが今…やっている事は『賢い行い』ではない」
くっ、これは最早撤退以外に選択肢は無いな。
という訳で、久し振りに火を残して帰還する事に。
「フヒー、ひ…必死に逃げてきたんですゥ」
奉納点:6072
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